イップスの直し方
イップスの直し方及び考え方
イップス克服の課題は、フォームの再構築。
イップスは、必要以上に新たな動作を繰り返したことで以前のフォームが崩れ、意に反する不随意な動作が定着してしまった状態です(例:新たな動作とはテイクバックの修正、股関節や胸郭の使い方、並進運動の過度な取り組み等)。分かりやすく言うなら、良かれと考え取り組んだ修正が、いつしか意に沿わない動きの”癖”が身に付いてしまった状態です。
したがって、本来の動作感覚と、イップス後の動作感覚には大きなズレが生じています。このような動作感覚のズレは、最初はなんとなく認識できる程度ですが、次第に違和感や不快感として自覚するようになります。そのまま放っておくと以降、二度と本来のフォームが再現できない状態まで進んでしまいます(数十年経過しても不随意動作が変わらない方もいるほどです)。
イップスに陥ってしまうと、選手は当然あの“嫌な感覚”を体験したくありません。そのため、自ずと本来の自分の状態に戻すために、さらに修正を加えるようになります。しかし、イップスである不随意動作は既に自動化された動きであるため、修正を加えれば加えるほど新たな不随意動作を生み出してしまいます。結果、関節の連動性をさらに損ない、肩肘等の故障の原因につながってしまいます。これまで来所いただいた選手の多くが、これら更なる修正を加え続けてしまい、見るに忍びない“継ぎ接ぎだらけのフォームになっている選手を沢山見てきました。
当研究所では、指導を行うコーチ自身が上述のような経験をし、その後改善しています。現役時代の長いイップス経験から今日に至るまで、試行錯誤の末に辿り着いた理論(後述:重心制御理論)を用いてレクチャーしています。レクチャーは選手一人一人と向き合い、身体を動かしながら心地良い動きへと誘導しています。
イップスを改善へと導く「重心制御理論」
当たり前のことを、当たり前に、徹底的にレクチャーします
<重点制御理論とは>
重心制御理論(以下本理論)とは、地面反力(床反力)を的確に捉え、安定したフォームを構築(再構築)する考え方です。体の重さ(自体重)を効果的に活用し、身体の動きをコントロールしやすくする技法です。いわばフォームの再構築(基礎、基本動作の再構築)です。
本理論は、主に重心制御に焦点を当て、体系化されたフォーム構築理論です。一時しのぎや思いつきのフォーム改善とは異なります。一からフォームを立て直します。安全、安心、安定したフォームを獲得することが可能です。
<重心制御理論を用いた改善指導事例>
中学生~大学生の事例を挙げています(プロの選手は、学生に比べ比率としては少ないのですが、明らかにフォームで個人が特定できてしまうため掲載は控えています)
なお、技能レベルに関係なく指導内容は同じです。ただ不随意な動作にはの本人も気づかないような微細な動きがあるため、その点は個別にレクチャーを行っています。
動作が改善されると、心理的症状(不安やストレス)から自然と解放されていきます。映像からも伝わってきませんか?
■大学生(捕手)レクチャー前
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■大学生(捕手)レクチャー後
投球動作が途中で引っかかる(不随意運動)のは、これまでメンタル(心因性)が原因ではないかといわれてきたようです。しかし、重心を制御できるようになると関節の引っ掛かりが減少し、一連の動作が以前に比べスムーズになっているのがわかります。
立ち居振る舞いが明らかに変化。投球動作に充実した状況が窺えます
■高校生(外野手) レクチャー前
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■高校生(外野手) レクチャー後
左足の「カックン」となる動きが、リリースに影響を及ぼしているのが見てとれます。力が抜けた状態でリリースされているため、ボールコントロールが難しい状態です。しかし重心を制御できるようになると、「カックン」の動作が軽減され、自ずとリリースが安定し始めます。立ち姿まで変化してきます。相手のミットに入るボールの音を聞いてください。ボールの勢いも変わっています。
腕を思い切って振れなかったのが、思いっきり振れるようになっています
■大学生(投手)レクチャー前
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■大学生(投手)レクチャー後
本来のフォームが崩れ、元のフォームに戻すことができずに手探り状態が続いていたようです。足を上げると嫌な感覚から嫌なイメージも喚起され、結果ボールを置きにいかざるを得ないフォームが繰り出されていました。しかし重心をとり、安心して身体をコントロールできるようになると、自ずと思い切って腕を振れるようになっていきました。
地面への叩きつけが極端に減少。以後自身でも修正が可能
■中学生(投手・外野手)レクチャー前
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■中学生(投手・外野手)レクチャー後
リリースポイントが分からなくなっているケース。力の入れ加減がわからなくなっています。結果、投げる意欲も本来あったはずの自信も減退していきます。しかし、重心が制御できるようになると、姿勢も変わり自ずと関節が連動していくのがわかります。また、途中すっぽ抜けが出てきますが、本人が修正箇所を把握しているため、自身で修正することができるようになります。早めに連絡くださって良かったです。
リリースでの指の掛かりが全く別物になったようです
■大学生(投手)レクチャー前
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■大学生(投手)レクチャー後
レクチャー前はボールが引っ掛かったり、すっぽ抜けたりと、リリースで力がうまく伝わらず、指先の感触が良くない状態だったようです。また不随意運動までは及んではいないもの、本来のフォームが分からない状態のため、力づくで投げるしかない状態だったようです。
レクチャー後をご覧ください。リリースでのボールをはじく”音”がより鮮明になり、ボールに力が伝わっているのが映像からも伝わってくるかと思います。アンケートにもありましたが、課題はメンタル云々ではなく、動作システムの問題であることに気づいた様子でした。心地良さそうに投げていました。
重心線プレート[特許取得]
逆転の発想から生まれました!
「重心線プレート」は、重力、重心線、重心の3要素を実感できる装具です。
「重心線プレート」は、動作が不安定な選手を更に不安定な状態へと誘導し、本来安定しようとする能力を自ずと引き出すための装具です。装着後に実感する身体の安定感と、動作の施しやすさは他に類をみない感覚かと思います。自身の体を支える絶妙な重心バランスと、手足の操作感が改善されてくることを実感されるはずです。
※「重心線プレート」は、特許商品です。
※「重心線プレート」は、イップスを直すために必要に応じて(ご希望に応じて)使用しています。
重心線プレートの効果
おかげさまで、非常に高い評価を維持しております
受講者アンケートからも、イップス改善には特に高い効果を発揮することが確認されています。直近186名の方に装着いただき、その効果度を100点満点で評価頂いたところ、平均80点と高水準の評価を得ています。
重心線プレートは、当研究所のコーチングをお受け頂いた方、或いはチームでご受講いただいた方のみに販売しております。理由は、独特な使用方法があり、また使用上の注意点をきちんと説明する必要があるためです。