茨城県の高校生(捕手)が、改善レッスンに来所しました。

茨城県の高校生(捕手・右投げ右打ち)が、イップス症状改善レッスンのために来所いただきました。

【症状】
動作をうまく制御できない、よくひっかかる、キャッチボールの相手まで届かない、リリース時、感覚がない、力感がない、力が入らない

【状態観察・レクチャー】
お母様と一緒に来所。数日前に、お母様そして本人(息子様)から、問合せのお電話をいただいていたので、その状態は概ね把握していました。したがって、ここ数日の状態についてヒアリングしました。

早速キャッチボールへ。
短い距離からだんだん距離をとり、塁間まで広がる。時折私の右足元へ送球されることはあったが、さほどボールが左右、高低に大きくブレることはなかった。ただ、投げる動きにためらいがあるのか、動作を慎重に行っている様子は見てとれた。最初から本人が言っているとおり「指に感覚がない」様子も見てとれた。
また、体が投げる方向に向かって傾斜していることも視認。軸足つま先も、投げる相手に向かっているのも視認。右胸が最初から見えているのも明らか。よくよく観察してみるとやはり「投げる」動作そのものに苦労している様子が伝わってきた・・。
ある程度「投げる」とはどのように連動するのか?をレクチャーした後、一旦スローイングを中断。バットスイングへ。バットスイングを通して送球を想起。そもそものバッティングのタイミングの取り方からインパクトの瞬間までをレクチャー。※彼にとってはこれまでの一般的な教えられ方とは180度違うアプローチのようで、本人は不思議そうに聞いていました。

一旦休憩。

10分ほど休憩した後、再度キャッチボールへ。
私が伝えたのは「さっきバッティングでやったような感じで投げてみて!」

すると、
「えっ、あれ、あれ・・・投げやすい。あれ??」といった声が。不思議そうに投げていました。ボールが私の胸あたりにほぼ届いていました。それも毎球。本人にとってはカルチャーショックだったのかもしれません。首を何度もかしげていました^^;

それから10分ほど心地よい状態でキャッチボール。彼に聞いてみました。「どうだった?キャッチボールは楽しかったかい?」

すると彼は
「はい。なんでか知らないけど投げやすいんです。キャッチボールが楽しい。こんなの久しぶりです。なんだか自信になりました!」
事実、暴投はひとつもありませんでした。

キャッチボールが楽しいというのはとっても重要なことです。フォームはつくるものではありません。フォームはつくられるものです。いかに自分の体に委ねることができるか?
無意識に体が作動してくれ良い感触をつかむことができれば、投げられることそのものに充実感を覚えます。

この後、より再現性を高めるためにもう少しキャッチボールを行い終了。
ただまだ完全ではありません。ここからが再現性を高める練習です。練習は良い状態を無意識に刷り込むために。またより精度を上げるために行います。
ひとつひとつ良好な感覚の積み重ねが改善を生み、その選手のスキルになっていきます。

トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明

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