埼玉県上尾市の高校生(外野手)が、イップス症状改善レッスンのために来所いただきました。
【症状】
動作をうまく制御できない、投げ方を忘れた、よくすっぽ抜ける、よくひっかかる、キャッチボールの相手まで届かない、リリース時、感覚がない、力感がない、力が入らない
【状態観察・レクチャー】
ご両親と一緒に来所。ご両親および本人からそれぞれ現在にいたるまでをヒアリング。
現状がおおよそ理解できたところで早速キャッチボールへ。短い距離からだんだん距離をとり、塁間ほどまで広がる。次第にボールが左右、高低にブレ始める。投げるときに「指に感覚がない」。そんな中で腕を振っている様子が見てとれました。結構肩、肘に負担がかかっている様子もうかがえました。
キャッチボール相手となっている私から見て、彼の右胸(右投げ)が最初から見えているのが明らか。上体が私の方へ傾斜。どうやっても体が前へ前へ向かってくる・・。
一旦投げるコツをつかむためにもバットスイングを実施。バットスイングを通して、送球とリンクする点をレクチャー(ティー&トスも実施)。不思議そうに聞いていました。ですが、だんだんとバッティングするうちに頭の中でつながってきたのか、気づいた様子が見え始めました。
そこで再度キャッチボールへ。
最初はなかなかうまくいかなかったのか?まだ頭の中で整理できてなかった様子。
しかし・・5分ほど同じ3メートルほどの短い距離でキャッチボールを継続。次第に、「指にかかっています。球の重みを感じてます」と。言葉に出てきました(少し驚いた様子)。
塁間より少し遠めまで距離を拡大。するとびっくり。切れ、伸びのある球がビュンビュンきはじめました。2、3割の割合で私がジャンプしえとらなければならない返球がありましたは、他8割ほどはほぼ私の顔のあたりにきていました。力感あるフォームに変わっていました。
さらに約10分ほど行い、最後に感想を聞きました。「久しぶりです。こんなの。もっとキャッチボールがやりたい」と。
まだまだ完全ではありません。しかし今回の感覚をとてもうれしそうでした。
今日明日とお天気が変わるように、投球の調子も変わります。
ひとつひとつ良好な感覚の積み重ねです。短い距離でもOK。ボディコントロールの利いたキャッチボールを行うことで充実した時間をつくることが可能。その積み重ねが無意識のプログラムをつくりあげます。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明