神奈川県川崎市の高校生(内野手・セカンド)が、イップス症状改善レッスンのために来所いただきました。
【症状】
通常のキャッチボールではあまり問題はないが、ボールファーストの際、不安。
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【状態観察・レクチャー】
お会いしてまもなく、本人からイップス症状のきっかけから現在にいたるまでをじっくり聞かせていただきました。また、お父様からも応援時に見る息子さんの状態についてヒアリング。
現状がおおよそ理解できたところで早速キャッチボールへ。塁間より少し遠めの距離まで広がりました。
通常のキャッチボールでは、一見ほとんど問題なし。
次に、個人ノックを実施。
お父様にノッカーになってもらい、私がボールキーパー。
そうすると、見えてきました。だんだんと体が投げる方向に向かって正面に向きはじめる。だんだんとスピンの少ない球が出現。スライダー、シュート回転が出だす。そして何より腕で操作している様子がしっかり見てとれました。不安定さの要因です。
続いてリフレッシュの意味でも、また投げるコツをつかむためにもバットスイングを実施。バットスイングを通して、送球とリンクする点をレクチャー(ティーも実施)。一見違う動作に見えますが、実は多いに相似点があります。
一旦休憩し再度キャッチボールへ。
急に体がしっかりしてきたのか。回転(スピン)のかかった伸びる球が出現。本人も「さっきよりかかっています・・」と。驚いた様子。
続いて再度ノック。
ほぼすべての返球が私の胸周辺へ・・。私も少し驚きました!
しっかりと固定感覚をもって投げている様子が伝わってきました。私は返球をずっと受けていたのですが、知らず知らずのうちに返球を受けるのを楽しんでいました、なぜならきれいな返球がきちんと返ってくるからです。本人もノックと送球がスムーズにいっているので楽しそうでした。
あとは今日のポイントを押さえて、距離の短いキャッチボールを数千回、数万回と無意識に落としこめるまで行ってくださいと伝えました(4~5mの短い距離なので肩、肘に負担がかかりません)。あとバッティングで送球とコツの共有を図ることです。
いい感触が一定期間積み重なると、その動きは無意識にできるようになっていきます。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明