神奈川県横浜市の社会人(外野手)が、イップス改善レッスンのために来所いただきました。
【症状】※事前アンケートによる
投げ方を忘れた、よくひっかかる、キャッチボールの相手まで届かない、リリース時、感覚がない、力感がない、力が入らない
【状態観察・レクチャー】
1)ヒアリング。
高校まで本格的に野球をやっていた(そもそも中学生のころにそれらしききっかけがあったようだが、だましだましやっていたと・・)。社会人になり、友人の誘いもあり野球を再開しようと思いキャッチボールをはじめたところ、短い距離にもかかわらず、急に送球が思ったところにいかなくなる。何度もやってみたが自分の身体そのものが投げることに関してコントロール不能となっていることに気づく、その後友人からもイップスではないかと指摘を受け来所。
2)キャッチボールへ。
早速キャッチボールを実施。明らかにボディコントロールが失われていました。やはり、”投げる”という動作がいまいちつかめていない様子でした。胴体の固定感覚が薄い印象。なんとなく脱力感が感じられ腕だけの操作(肩、肘、手首、指)に頼るしかなく、その腕の振りも試行錯誤を重ねてきた様子がうかがえました。
3)問題点→解決策の提示
利き腕とグラブの腕のバランスだけで投げてしまう癖がついているため、身体全体で投げるシステムを提示。
まずは身体の安定化を図る。そのために重心のとり方(落とし方)からレクチャー。そしてボディスイング、腕のスイング指導へと移行。都度ポイントとなる点を指摘しつつ、ひとつひとつ押さえていきました。
4)好感触が出現
実際に4~5メートルの距離のキャッチボールを5~10分ほどテンポよく続けていきました。次第に、好ましい感覚がポツリポツリ出現。本人も余計なことを想起しないでスムーズに投げている瞬間を多く感じるようになっていきました。良いときとそうでないときの感覚の違いも感じ始めました。
5)今日のポイントを押さえて以下実践。
・今日行った要領にて、短い距離のキャッチボールを数千回、数万回と無意識に落としこめるまで実施。
・バッティング。できればティー、ロングティーを実施。取り組んでいくうちにバッティングも向上。次第に投げると打つの共通点は意外に多いことに気づくはず
・腕立て伏せ。体幹コントロールに役立つため。
地道ですが、ひとつひとつ好感触を積み重ねていくことをおすすめしました。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明