埼玉県の社会人(内野手)が、イップス改善レッスンのために来所いただきました。
これまでずっと誰にも相談できなかったとのこと。
ただおおよそチームメイトは知っていた様子。たまたま同じチームメイトから「実はイップスで困っている」という相談を受けたことがきっかけで、「実は俺もなんだ・・」と。しばらくしてネットで検索を始め、自ら当研究所へ連絡がありました。
【症状】※事前アンケートによる
・投げ方を忘れた
・よくすっぽ抜ける
・キャッチボールの相手まで届かない
・力感がない、力が入らない
きっかけは中学時代に捕手をやっていて、急に投手へ返球ができなくなったこと・・。
それからはずっとごまかしながらなんとかやってきた様子。※長い・・・
【状態観察・レクチャー】
まずはお会いしてまもなく、本人よりイップス症状が出始めたきっかけから、現状にいたるまでをあらためてお話をおうかがいしました。
お話をお聞きしたあと、すぐにアップ。身体をほぐしていただきまもなくキャッチボールへ。
一見した感じは、顕著なイップス症状は見られませんでした。
ただようく観察すると、それとなく自身のボディコントロールが効いていない様子がうかがえました。さらにキャッチボールをすすめていくと、本人の苦手な距離にさしかかってきたころ、リリースしたボールの行方がばらつきはじめました。本人曰く「これくらいの距離になってくると・・」※塁間より若干遠め
早速その原因となるものを指摘させていただきました。
「なぜ、急に身体が制御できなくなるのか?」
「なぜ、リリース時に感覚が薄く感じるようになるのか?」
「なぜ、心と身体(神経)が連動するのか?」
・・・説明させていただきました。
その後、その改善策について実際のキャッチボールを行いながら、構造的にレクチャーさせていただきました。
その後100近く投げたでしょうか・・距離も離れはじめ、ピッチも早くなっていきました。だんだんと”考えながら投げる”ということが少なくなってきた様子が観てとれました。
次第に身体のコントロールが利きはじめ、ボールが一定のところに集まりはじめました。約10分ほどキャッチボールを行い調整終了。
「あ~もっとキャッチボールがしたかったです。なんかとってもいい感じがしました」と充実感あふれる表情になっていました!久しぶりだったのでしょう。”キャッチボールが楽しい”と感じたのは。
あとは今日のポイントを押さえて、距離の短いキャッチボールを数千回、数万回と無意識に落としこめるまで行ってくださいと伝えました(4~5mの短い距離なので肩、肘に負担がかかりません)。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明