★※ご参考 工藤和俊先生(東京大学)による、イップスの原因について、とても分かりやすい解説をされていました。

2020年9月2日(水)10時~NHKEテレ「又吉直樹のヘウレーカ」にて、工藤和俊先生(東京大学)によるイップスについての解説です。

「イップス 同じ運動を過度に繰り返すと起こる」

「スポーツの世界では、イップスという現象が知られていまして、これはあの同じ練習を過度に繰り返してしまう時に起こる。そういった現象です。運動選手が例えば、ゴルフでパッティングをする。同じ距離から同じパッティングをする。毎日毎日何度も繰り返す。そうすると、イップスという状況になって、自分の思い通りの動きが再現できなくなってしまう。そういうことになることがある。(工藤和俊氏)

「心の問題ではない」~なぜイップスは起こるのか?~

昔は心の問題だと考えられていて、『強迫神経症』とか『不安神経症』と関係する。といわれていたんですが、最近の研究では。脳の可塑的な変化によって、同じことを過度に繰り返すことによって、不随意運動が出てくる。というようなことが分かってきています」(工藤和俊氏)

「心の問題やと思っていました。僕・・」(又吉直樹氏)

「脳の可塑的変化が原因」

「イップスになった人は気持ちが弱いとか、いろんなことを言われてしまったりすることが昔はあったんですが、決して心の問題ではない。むしろイップスで出てくる心の問題というのは、うまくいかなかった時に、そのうまくいかなかった自分に対して不安になる。その不安が、心の問題に繋がってくる。イップスになった後に出てくる「結果」として出てくる問題だということですね」(工藤和俊氏)

「どういう人がなりやすいんですか?」(又吉直樹氏)

「いろいろ調べていくとですね。完璧主義の人。これが実はイップスと関係する。と言われている。これは完璧主義の人というのは、一つの練習、ちょっとできないと、ずっと繰り返し練習してしまう。そういう性格の人が多い。行動特性といった方がいいんですけど。それが実はイップスに繋がる・・イップスを克服する。予防するためには、過度な繰り返しが原因ですので、繰り返しの状況をちょっと変える。例えば、パターの練習をするにしても、何回か打ったら別の練習をして、またパターに戻るとか、過度な繰り返しを避けるというのが一番大事なこと。一番大事な予防法になってきます」(工藤和俊氏)

過度な繰り返しを避けるのが一番の予防法とは?

「練習の中に、うまく多様性を入れていくってことですね」(工藤和俊氏)

過度な練習の繰り返しについて

「繰り返していくと、実はだんだん運動が自動化していってしまう。繰り返しの練習って、運動を自動化させる。無意識のうちに出来るようになる。そこの点では、とってもいいんですけど、緊張状態の時に意識的に再生しようとすると、意識的再生できなってしまう」(工藤和俊氏)

トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明

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