「重心や姿勢の話は本で読んだことがあったが‥」(大学生・岩手県・投手)

事前アンケート及び当日のヒアリングから

◆現在の状態を教えて下さい

・動作をうまく制御できない
・本来の動作(打ち方)を忘れた
・動作途中でよくひっかかる
・シャドーではイメージ通りにできるが、ボールを持つとそれができない

◆悩み始めたきっかけは何ですか?

・フォームの変更

◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?

・約1年経過

◆イップスについて、どなたかに相談されていますか?

・チームの監督やコーチ
・チームの同僚、先輩、後輩
・カウンセラー等心理職

◆これまでの経緯(概要)

大学1年生の秋、ウエイトトレーニングを本格的に行いはじめてから、筋トレ翌日のキャッチボールが徐々に違和感を感じ始めた。日を追うごとに上肢が機能的に動いていない感覚になった。以前よりも肩回りが回らなくなった。
これではまずいと思い、テイクバックの軌道修正に着手した。元々テイクバックで、利き腕を後方に引くような動作があったため、後方へ引かないよう、正しいと思われる軌道修正を試みた。しかし、それが良くなかったのか、その後は今までにない感覚になっていった。
・投げるときに肘が下がってリリースされるようになった。
・リリースでは、力が伝わらない感覚が定着しボールを思うようにコントロール出来なくなった。
・体がバラバラ、手投げに感じるようになってきた。
・気づいたら、ひどくインステップもするようになっていた。
・ボールに回転が掛からない感じになってきた。
・リリースで”押し投げ”のような感じになってきた。
・投げたボールが相手の手元で垂れてしまうことが多くなった。
・テイクバック時、腕が軸足の膝に当たって、リリース前にボールが落下してしまうようにもなった。

◆所感

テイクバックからリリースまでの間、利き腕の肘がほぼ伸び切った状態でボールを離しているようように見えた。利き腕への過度な操作意識が見て取れた。
本人に、現在の投げ方を訊いてみたが「投げづらい」と言っていた。
最初のキャッチボールの後、撮影した動画を二人で観た。どうしてこのようなフォームが毎回繰り出されてしまうのか?これまでの経緯を聞きながら意見を交換した。本人はウエイトトレーニングの影響ではないか?と言っていた。確かにその可能性はあるであろうと伝えた。だが、その後のフォーム修正が更に悪化させているのではないか?ということを伝えた。思い当たる点が多々あったようで本人は合点がいった様子であった。次のステップへ移った。
キャッチボールを再開。すぐに好感触があった様子。「指に掛かってきた」とコメントがあった。その後本人から沢山の質問をもらった(何かを感じ始めた様子)。質問には適切に答えていった。
2回目のキャッチボールに入った。先程のキャッチボールにも増して、力のあるボールが出てきた。一旦休憩。3回目のキャッチボールに入った。更に力のあるボールが届き始めた。塁間でも、私の頭のやや上方を、突き抜けるような勢いあるボールが届き始めた。過剰な腕への意識も減っていったようである。投げていて心地良よさそうにしていた。
終了後は、改めて振り返りを行った。今日の状態をより定着させるために、絶対にやってはいけない反復練習、やった方が良い反復練習を伝えて終了した。

「ボールコントロール」→「ボディコントロール」

◆受講後アンケート→1832039n受講後アンケート

トレーニングサポート研究所

所長 松尾 明

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