事前アンケート及び当日のヒアリングから
◆現在の状態を教えて下さい・
・本来の動作(打ち方)を忘れた
・インパクトで力が入らない
・インパクト時、打感の感覚がない
・そのほか(利き腕が伸び切った状態でインパクトしてしまう)
◆悩み始めたきっかけは何ですか?
・オフ明けの練習から
・フォームの変更
◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?
・約8年経過
◆イップスについて、どなたかに相談されていますか?
・チームの同僚、先輩、後輩
◆これまでの経緯(概要)
遡ること高校3年生の頃。1週間ほど雨が続き、外のコートで練習が出来なかった時期があった。ほぼ1週間、室内での練習だった。短い距離で軽く打ち合う練習で過ごした。翌週、雨も止み屋外のコートでの練習になった。
ところが、急にラケットを引く動作に違和感を感じた。なぜか体が上手く使えない感覚になった。フォアハンドで利き腕が過度に力むようになった。何度か確認したが同じ状態が続く。「この状態はまずい。この感覚は良くない」とそれから自身で修正を始めた。だが、状態は変わらず・・。
大学でも同じような状況が続く。極度に利き腕が力んでしまい、スムーズな動きが出来なかった。
社会人になってもテニスを続けた。だが状態は変わらずに続いていた。こんなに何年も違和感のある動きが続くのであれば、やらない方がいいのでは?と最近はテニスからあえて離れるようになった。
それから1ケ月が経過した。「やっぱりテニスが好き。テニスをやりたい」と思うようになった。ただそのためには、今の状態が改善されないことにはテニスを楽しむことが出来ない。その為には?と思い、今回受講に至った。
これまで数え切れないほど試行錯誤の修正を図った。以下取り組んでみたことの一例。
・グリップの持ち方を変えた
・グリップを巻きなおした
・1、2、3のリズムで打つよう心掛けた
・膝を使えていない、足を使えていないとの指摘もあったのでやってみた・・等々。
◆所感
まずは十分な現状のヒアリング後、実際にプレーしている様子を観察させて頂いた。
確かにインパクトが安定していなかった。気持ち良い打感ではなさそうに窺えた。感触をお聞きしてみると「良くないです。というか、ずっとこんな状況が続いているので、これが当たり前になっているんです」とコメントが返ってきた。
イップスの状態が続くとよくあることである。不連動な動きが繰り返されていくと、いつの間にかそれが日常の動きとなって定着してしまうのである。※次第にこの状態が普通になっていく。。ミスショットをしたり、プレッシャーが掛かると余計に動かしづらくなり、更に思うように打てなくなる。
一旦プレーを止めて頂いた。”今何が起こっているのか、なぜこんなことが起こるのか?”を解説した。”なぜ、このような不快な動きが続くのか?、そしてどうしたらいいのか?”説明した。「そう言われれば・・」。と合点がいった回答が返ってきた。納得頂いた。
休憩後、プレーを再開した。1回目からこれまでにない感触を感じ始めた様子。「打ちやすい」とコメントが聞かれた。さらになぜ打ちやすくなったかを説明した。このようなやりとりを2回、3回と繰り返した。次第にフォアハンドの動きに調和が取れ始めた。スムーズな連動性ある動作が出始めた。彼本来の一連のフォームであろう。インパクトの強さが見て取れた。インパクトで、ボールがラケットに”くっついている”時間が長く見えるようになった。
「サーブも見て欲しい」とのことでサーブも見た。ラケットにボールが”へばりついている”ように見えた。力が伝わっている様子が見て取れた。
今回、学生時代から一緒にテニスをしている方と一緒に来訪頂いていたので、その方からも感触の良いコメントを頂いた。それも客観的な事実として認識できたのは自覚が出来て良かったのではないかと思う。
終了後は、より再現性を高めるための練習方法を伝えて終了した。
「ボールコントロール」→「ボディコントロール」
◆受講後アンケート→151320o受講後アンケート
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明