「どこが悪いのかを1から説明してくれて、キャッチボールを‥」(高校生・外野手・埼玉県)

事前アンケートについて

◆現在の状態を教えて下さい

・投げ方を忘れた
・よくすっぽ抜ける
・キャッチボールの相手まで届かない
・リリース時、感覚がない
・力感がない、力が入らない

◆悩み始めたきっかけは何ですか?

・暴投(試合や練習時)

◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?

・2年経過

◆イップスについて、どなたかに相談されていますか?

・チームの同僚、先輩、後輩

所感

◆投球動作のフェーズ分けから見た所感

①ワインドアップ期(準備段階。ステップ足が一番高い位置までの間)
・投げる方向へ引っ張り出されるように突っ込んでいた。
・早い段階から利き腕への意識が殊の外強く感じられた。
・身体そのものがフワフワしているように映った(不安定)。制御するのに大変そう。
②アーリーコッキング期(グラブからボールが離れ、ステップ足が地面に着地する間)
・利き腕操作を主体となっていた。
・肘が上がっていた。
・ステップ足が着地した際、既にステップ足に体重が乗っていた。
③レイトコッキング期(ステップ足が地面に接地し、利腕を後ろに引いた時までの間)
・ステップ足が地面に接地したタイミングと、トップに到達したタイミングが投げる度に異なっていた。
・マニュアル操作であることが見て取れた。
④アクセレレ―ション期(利腕を後ろに引いた時点からリリースまでの間)
・利き腕を前方へ引っ張り出している様子が見てとれた。
・宙を撫でるような腕の動きになっていた。
・グラブ側の腕への過剰意識も相まって大変そうであった。動きづらそうであった。
⑤フォロースルー期(リリースから投球動作が終了するまで)
・リリースポイントで、力が抜けてしまっていた(腕を振りたいけど、振れない状態)もどかしい様子が見て取れた。
・リリースの瞬間に手首、肘先でボールコントロールをしていた(そうならざるを得ない状態になっていた)。

◆イップス克服コーチングの指導と感想

きっかけは約2年前。暴投から始まった。その日はそこまで気にしていなかったものの、次の日のキャッチボールの初球からおかしかった。リリースでボールが掛かってくれず、どこへボールが飛んでいくか分からない状態になっていた。慌てた。早速リリースポイントの修正、肘の可動加減、テイクバック等の修正を試みた。ネットスローや手首強化がいいと聞き、練習に励んだもの、むしろ悪化していった。次第にキャッチボールそのものが難しい状態になっていった。
本来は内野手だが、キャッチボールが上手くいかない為、今は外野をしているという。

 

私が見た感想だが、リリースポイントで、力感が抜けてしまい、どうしようもない状態でリリースされていた。このような身体の状態で”プレッシャー”が掛かると、どんな状態になるかは容易に想像出来た。
手首、肘、肩の操作が思うようにいかず、テイクバックの軌道、トップの位置も都度異なって見えた。1球1球が大変そうに映った。

本人曰く「すっぽ抜けることが多い」。ということであったので、なぜすっぽ抜けるのか?その原因を動作を交えて説明した。更に「指先に感覚がない」とも言っていたので、なぜそれが起こるのか?それら一つ一つの疑問について答えていった。
又、「動作をチェックしながら動かしている」ようで、何故そのような”マニュアル操作”になってしまうのか?も説明。いかにして”スムーズに投げる(自動化)”の動きを促すのか?を説明した。

原因と解決方法を理解して頂いたのでキャッチボールを始めた。1球、2球と、球数が増えていくごとに、ボールの方向性が定まり始めた。予想通り、リリースでボールが掛かり始めた。
休憩を交え、ゴロの捕球後の送球も行ってみた。真正面のゴロ処理後の送球、バックハンドの送球等、投げれば投げる程、安定し始めた。暴投が出るどころか、殆どが私の胸、頭近辺にボールが届いた。「久しぶりです。」と喜んでいた。
後は再現性を確認する為に休憩を交え、何度もキャッチボールを行った。手応えをつかんだ様子であった。

「ボディコントロール→ボールコントロール」

「ボディコントロール→バットコントロール」

受講後アンケート→受講後アンケート13100705

トレーニングサポート研究所

所長 松尾 明

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