事前アンケートについて
◆現在の状態を教えて下さい
・動作をうまく制御できない
・投げ方を忘れた
・よくひっかかる
・キャッチボールの相手まで届かない
・力感がない、力が入らない
・そのほか（親指がうまく離れない。腕、肘、手首、指先まで連動しない）
◆悩み始めたきっかけは何ですか？
・暴投（試合や練習時）
◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか？
・２０年弱経過
◆イップスについて、どなたかに相談されていますか？
・まだ誰にも相談出来ていない
所感
◆投球動作のフェーズ分けから見た所感
①ワインドアップ期（準備段階。ステップ足が一番高い位置までの間）
・ヒップファーストになっていた。
・利き腕への意識が殊の外強く感じられた。
②アーリーコッキング期（グラブからボールが離れ、ステップ足が地面に着地する間）
・肘が伸びたままテイクバック。そのままトップの位置に到達していた。
・利き腕操作を主体とした操作になっていた。
・ステップ足が着地した段階で、既にステップ足に体重が乗っていた。
③レイトコッキング期（ステップ足が地面に接地し、利腕を後ろに引いた時までの間）
・ステップ足が地面に接地したタイミングと、トップに到達したタイミングが投げる度に異なっていた。
・マニュアル操作であることが見て取れた。
④アクセレレ―ション期（利腕を後ろに引いた時点からリリースまでの間）
・利き腕を前方へ引っ張り出している様子が見てとれた。
・投球動作そのものに相応のエネルギーを要し、大変そうであった。動きづらそうであった。
⑤フォロースルー期（リリースから投球動作が終了するまで）
・リリース後も利き腕の意識の余韻が残っている様子が見て取れた。
・リリースの瞬間に手首、肘先でボールコントロールをしていた（そうならざるを得ない状態になっていた）。
◆イップス克服コーチングの指導と感想
投球技術そのものに悩み始めて既に約２０年。少年期からずっと、どうやって投げて良いか分からなかったそう。投げる度に動作に違和感（動かしづらさ）を抱えつつ、何とか騙し騙し高校まで野球を続けてきたとのこと。以降、投げる種目（ダーツ等）全般においても苦手意識を持つようになった。小学生のお子さんとのキャッチボールが満足にいかず来所。
まずキャッチボールの動画を撮った。
どのような状態（動き）になっているか？を確認した。何故不連動かつ不快な動きが起こるか？、その源になっている点について確認した。「何故、リリースが分からなくなるのか？」、「なぜ、不連動な動きなってしまうのか？」二人で共有した。
そして、そもそも投げるとは、どのような動きを行うことなのか？についてレクチャーした。スムーズかつ自動化された動きは、どうやって発生するのか？実際の動きを元に説明した。
動作を交えて十分説明したうえでキャッチボールに入った。１回目よりも２回目、２回目よりも３回目と、徐々に理論と動きの融合が進んだようで、笑顔で頷く姿が見られるようになってきた。合点がいった様子。
これまで２０数年間、試行錯誤し続けてきたので、強固に誤作動が定着していたが、球数が増えるごとに肘も適度に屈曲。スムーズな動きが生まれ、自然にボールコントロールされる頻度が高まってきた。後は良好な手応えの中、球数を増やし、神経伝達が自然にいくようになれば、お子さんとのキャッチボールは勿論、日頃の野球でも、心地良いキャッチボールを楽しめると思う。
「ボディコントロール→ボールコントロール」
「ボディコントロール→バットコントロール」
受講後アンケート→13160904受講後アンケート
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明