「腕の振りを気にしすぎていたことがわかった。腕では・・」(高校生・岐阜県・外野手)

◆現在の状態を教えて下さい(本人からの口頭による)

・すっぽ抜ける
・思ったより(ように)腕が触れない
・指に掛からない
・スピードが落ちた

投送球について、悩み始めたきっかけは何ですか?(本人からの口頭による)

・テイクバックを小さくしようと試みてから

◆悩み始めた時期から、現在までどの位の時間が経過していますか?(本人からの口頭による)

・3年位

<コーチング・コース>

イップス症状改善コーチング pius1

<最初のキャッチボールを見た感想(特徴)及び、その後の指導>
・テイクバックを小さくする。その意識が強くあるように窺えた。
・トップをつくる意識が強すぎるように見えた。
・上半身の操作に意識が集中している為、下半身の動きが制御されていた。
・耳元から腕を出そうという意識があると言っていた。
・本人の認識において、ボールの回転そのものは問題ないという自覚を持っていた。確かに回転そのものは良かった。きれいに縦回転が起きていた。乱れることは少なかった。ただ、回転数が少なかった。※腕を思いっきり振れない状態であった。

これまでの経緯をお聞きした。中学生の頃にテイクバックを小さくすることを試みたようで、その時点から思うように操作出来なくなったとのこと。急に球のスピードが落ち、思うように腕が振れなくなったとのこと。

まず。
きっかけとなった「テイクバック」について指摘した。
以降「テイクバック」への意識することを止めるよう伝えた。何故ならテイクバックを意識することによって、小手先操作を助長し、全体のバランスが崩れるからである。その弊害が出ていることを指摘した。※テイクバックを意識して修正を試みるとフォームを崩してしまいます。

従って「投球」の概念づくりから入ることにした。
投げる以前の姿勢や立ち方から入り、体幹の使い方、体幹の回転の仕方、ボールのリリースポイント等、順を追って一つ一つ説明していった。
最初はきちんとした”基礎の再構築”が必要なこともあり、極端に短い距離でスピードを落としたキャッチボールを行った。
”腕を振って投げる”という無意識のプログラムが中々抜けなかった。どうしてもテイクバックを小さく小さく、そして肘から、肘からといった動作が抜けなかった。2時間程は休憩を挟みながらキャッチボールを行った。
残り20分位だろうか。。ようやく、彼本来の自然な動きが出始めた。
胴体に委ねる流れで自然なフォームが生まれてきた。
序々に、意図的な腕の操作が減少していった。胴体と腕の同調が数回出現してきた。連動感のある感触が出てきた。本人も「あ、何だか、、つかんだ感じです」と笑みがこぼれた。気持ちよさそうだった。
その後は1球ごとに好感触が出現したり、しなかったりが繰り返したが、何が良くて何が良くないか区別を付けられるようになった様子。
高めに力のあるボールが出てきた(※良い兆し)。
ボールの回転数が増し、威力が出てきた。
本人に聞くと投げてて楽になってきた。、指先にかかる感覚が出てきたと言っていた。

・・これまで、かなりテイクバック操作を意識して練習した様子であった。。
本来は肩関節も柔らかく、自然に投げればスリークオーターの高さで、生きのいい伸びるボールが投げられるであろう。それをあまりに本人の体に合わない動きを無理に練習してきたことで、自分の動きを制御出来ない状態になっていた。違和感、不快感、腕が振れない、スピードが出ない現象が出てもおかしくなかった。

自分の体を制御する感覚がどういったものか?実感出来たと思われる。実感が得られた時、得られない時、なぜそうなるのか?その時どうしたら良いかが理解出来た様子。

今後は、好感触を神経に記憶させなければならない。その方法を伝えた。焦らずに自分本来の動きを目指して欲しい。

「ボディコントロール→ボールコントロール」

「ボディコントロール→バットコントロール」

受講後アンケート→2904⑥ 受講後アンケート

トレーニングサポート研究所

所長 松尾 明

 

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