大学生の女子ハンドボール選手が、イップス症状改善コーチングの為に来所されました。
動作をうまく制御できない、よくすっぽ抜ける、リリース前に、手からボールが落ちてしまう・・といった理由で来所。(野球とハンドボールの違いをお聴きすると、ハンドボールは野球と違い利き腕のテイクバック(モーション)を小さくし場面に応じた多様な状況の中ですばやく投げることが必要とのことでした。従ってそのような点に留意しながら投げる姿を観て観察を続けました。結果、確かに野球の投球との違いは数点ありましたが、”投げる動作”の原理原則に変わりはありませんでした。
かなり時間をかけて原因を探りました。やはり体の重心に影響が起きていることが観てとれました。本人が腕を一生懸命に振っても「腕を振っている感触がない」というのも理解ができました。メンタル面というよりは、重心が不安定な状態でいつの間にか、意に沿わないフォームが定着し、そのフォームが自動的に繰り出されていました。本人には、根本的なイップス症状となったその原因と、そのプロセスを投球を交えながら説明しました。
1時間半程経過したところでした。序々に投げたボールに回転のかかったボールが出現してきました。ボールの方向性が少しずつ安定し始めました。一気に改善へと進めたいところですが、まだその良好な動作が自動化されるまでには時間がかかりそう。今後は適切な重心位置を維持した状態での反復練習が必要であると思われます。
トレーニングサポート研究所
所長 松尾 明